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更なるグローバル企業になるために、インドに足を運んだからこそ感じたこと

クレディセゾンのグローバル事業は、ペイメント、ファイナンスと並ぶ事業の中核として成長しています。

特にインドの子会社Kisetsu Saison Finance (India) Pvt. Ltd(以下:Credit Saison India)は、2019年の事業開始以降著しい成長を遂げ、グローバル事業を牽引する存在です。グローバル事業の拡大に伴い、私たちは、国内-海外、本社-子会社といったあらゆるボーダーを取り払い、グループ全体でグローバル企業となることを目指しています。

この取り組みの先駆けとして、昨年12月インドに出張された黒川さんに、現地でのお話や当社がよりグローバル化するために必要なことについて聞きました。

※記事の内容は、取材当時のものです。


黒川 博之(くろかわ ひろゆき)
株式会社クレディセゾン 財務経理部付 部長(兼)
グローバル事業部付 部長


インド出張に自ら手を挙げ参加した想い

ーはじめに、黒川さんの現在の業務とグローバル事業との関わりについて教えてください。

私は現在、本社と国内外の子会社・関連会社を含めたグループ全体としての決算情報を作成する、いわゆる連結会計を担当しています。

連結会計は各子会社・関連会社の経理部門と密に連携する必要がありますが、海外の関係会社においては各国特有の課題も多いため、IHQ(国際統括本部)であるシンガポールのSaison Internationalも含め各国の会計担当者間でのコミュニケーションが非常に重要です。

ー今回のインド出張はどのような経緯で決まったのでしょうか。

Saison InternationalのファイナンスチームのヘッドであるAnnieさんから声をかけてもらったのがきっかけでした。

足元のタスクとしては、インドやシンガポールのファイナンスチームと直接コミュニケーションを取りながら共に会計上の課題を把握し解決を図ることでしたが、成長著しいインド経済やCredit Saison Indiaを自分の目で直に見ることで、今後のクレディセゾンのグローバル化や自分自身の成長に生かせるヒントを見つけられるのではないかと思い、出張に手を挙げました。


(※写真右から)Saison InternationalのDawnさん、Annieさん、Credit Saison IndiaブランチレンディングヘッドのNeerajさん


Credit Saison Indiaの本社はベンガルールにありますが、今回は経理部門の拠点であるムンバイオフィスを訪問しました。

4日間の出張中は、経理部門とより深いディスカッションができたことはもちろん、普段あまり関わりのない経理以外の業務についても担当者の方から直接話を聞くことができ、Credit Saison Indiaのビジネスへの理解がより深まりました。

また、貸付を行っているムンバイの営業拠点(以下:支店)にも訪問しました。Credit Saison Indiaは現在インド全土に40超の支店を構えており、ムンバイオフィスはその中で最大規模を誇ります。

そこでは担当者から、内部統制やオペレーションフロー、今後のビジネス展望について直接説明を聞くことができました。今後の事業拡大に備えて人員も支店数も増やしていくとのことで、事業の成長スピードと活気を肌で感じることができました。


ムンバイオフィス、当社のオペレーションセンターであるユビキタスビルの雰囲気に似ています


このような話を聞く中で感じたのは、インドの高度な金融関係取引の電子化です。顧客への資金の貸付から回収まですべてシステムで管理されており、銀行口座を通じて金銭のやり取りがされるため、現金が支店間を行き来することはほぼありません。この点はすでに日本とほぼ同じレベルであると感じました。さらに、若者からご高齢の方までほぼすべての人が携帯電話を通して、資金のやり取りを行っており、Credit Saison Indiaの社員の親世代でもスマートフォンを使いこなしてこのような取引を行うと聞きました。まだまだ現金が多く行き交っている日本とはかなり事情が違いそうだと感じました。

ちなみに実際に現地のスタッフと話をする中で初めて気が付いたことですが、社内では割と上下関係がしっかりしているようで、上司が話しているときには部下は聴くに徹してあまり発言しません。

チームメンバーの紹介時には上席の指示があるとメンバーは一斉にさっと立ち上がってそれぞれ挨拶してくれました。規律を重んじる風土でありながら不思議と威圧的な感じはなく、皆さん目をキラキラさせながら、誇りを持って仕事に取り組んでいる姿が印象的でした。

またインドの国民性なのかもしれませんが、オフィスで働くメンバーはお世話好きの方が多いようで、こちらが1つ質問をするとその数倍のボリュームでたくさん回答してくれます(笑)おかげで質問もしやすく会話も弾みました。

なお出張時はちょうど年末で、New Year Party(新しい年をお祝いするパーティ)にも参加することができました。これは前述のおしゃべり好きな国民性からは個人的には少し意外だったのですが、パーティのはじまりは皆さん控えめで、お互いや周囲の様子を気にしながら参加している様子でした。

そういった奥ゆかしい感じが日本人に似ているなと親近感を覚えましたが、最終的には老いも若きも混ざってみんなでボリウッドの音楽や映像に合わせてダンスを楽しんでいました。私も巻き込まれる形でダンスに挑戦(笑)、インドらしい懇親パーティを体験させていただきました。


New Year Partyでは私もダンスに挑戦!(※写真左)


私たちらしい「グローバル化」、その実現のために必要なこと

ー今回の出張は会社全体のグローバル化も意識して臨まれたとのことでしたが、出張を経て変化した点はありましたか。またご自身が考える今後の課題についても教えてください。

正直なところ、以前は財務経理部の中でもグローバル事業に対してある種の壁のようなものを感じるところがありました。それが結果セクショナリズムにつながっていた部分もあったと思います。

しかし、効率的に業務を進めるためには、やはり現地の担当者に質問することが一番であり、かつ、相互理解も進むので一石二鳥と考えています。このようなやり取りを通して、お互いのメンバー同士の関係性構築も進んできています。

出張を経て、今後当社のグローバル化をより進めていくためには、まずは相互理解が大事であると確信しました。

そのためには言葉の壁を乗り越えることが必要であり、まずは何より英語スキルを上げることですが、現状部内に英語を得意とするメンバーは多くないため、スキルを持っている人材の採用を進めるとともに既存メンバーの英語教育も同時並行で進めて行きたいです。

ただ私個人としては、英語スキルを上げることだけが相互理解に必要なことだとは思っていません。まずは業務上必要な知識や経験を持っておくこと、そして何よりコミュニケーションの機会を増やしていくことも同じくらい大事です。

たとえ片言でも勇気を出して伝える努力が必要で、英語力と同じくらい気合と度胸も大切ということです(笑)。もちろんなかなかこちらの想いや説明が伝わらないこともありますが、そういう時には単語だけでも並べてみたり、ホワイトボードに図や絵を書いて説明したりすることで理解が得られることもあります。

逆にそういったコミュニケーションの積み重ねで、その人個人への理解が深まることもあります。私自身も英語が得意というわけではないですが、物おじせずに熱意をもって伝える、このようなやり方でビジネスパートナーと呼べる仲間を作ることができました。


 

その上で、現地がどのようなビジネスを展開しているのか、ビジネスモデルやプロダクトについてなど、より広い視野でビジネス理解を深めていく必要があると思っています。このプロセスは海外メンバーにとっても同じことで、彼らにも本社側のビジネスをより深く知ってもらう必要があると思っています。

相互にビジネス理解が進むことで、お互いの共通の価値観を見つけ絆を感じることができたり、それぞれの良い部分から学びを得たり、足りない部分を助け合ったりできる良い関係性が構築できます。

こういったプロセスを踏むことでグループ全体としてより強い組織になるとともに、これまでにないシナジーが生まれ、私たちクレディセゾンらしいグローバル化が叶うのではないかと考えています。

相互理解とあわせてもう一つ重要だと考えているのは、能動的に学ぶ姿勢です。インドという国でビジネスを急成長させている会社が身近にあり、どのような手法でビジネスを拡大させているのか学べる機会があるというのは、実はすごく恵まれている環境だと思います。

親会社として彼らを外から見ているだけではなく、なぜ彼らが成長出来ているのか、インドのビジネス環境含めて興味をもって学ぶ姿勢を持つこと。内向きで狭い視野ではグローバル化は叶いません。

国内・海外の区別をせずに良い点はどんどん吸収して自分たちの業務やビジネスに還元していく、こういった流れを作っていくことが必要だと感じています。


ムンバイの街の様子

私自身、今回の出張を通じて机上では得られない、インドで働くメンバーの人柄や社内の雰囲気、そして何よりもインドという国の活気や成長スピードを肌で感じることができました。

この熱量を日本のクレディセゾンに還元・伝播させ、日本のクレディセゾンが進化し、またそれがグローバル事業を成長させる。そういった循環ができれば、当社が真のグローバル企業となる日も近いのではないかと感じています。


ムンバイオフィスのファイナンスメンバーと集合写真

 
―黒川さん、ありがとうございました!