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リアルな現場で学ぶ!シンガポールでのグローバルトレーニー体験

私たちクレディセゾンは、グローバル事業の拡大に伴い、国内-海外、本社-子会社といったあらゆるボーダーを取り払い、グループ一体でグローバル企業になることを目指しています。

その取り組みの一つとして、グローバル事業部以外の部署の社員が海外子会社を訪れ、海外人材との交流と相互理解を促進する「グローバルトレーニー制度」の導入を検討しています。このたび、トライアルとして財務経理部の杉村さんがシンガポールの国際統括拠点(以下、IHQ)であるSaison International Pte. Ltd.(以下:Saison International)に2週間滞在し、業務を体験しながら現地メンバーと交流しました。その様子について、杉村さんにお話を聞きました。

※記事の内容は取材当時のものです。

杉村 知彦(すぎむら ともひこ) 
株式会社クレディセゾン 財務経理部 課長


出張の事前準備の重要性を実感!

ー初めに、今回の出張の目的を教えてください。

Saison InternationalはIHQとして、シンガポール、インド、ブラジル、メキシコ等の海外各子会社の会計をはじめ、法務や広報・ブランディング、人事などのコーポレート業務のサポートをしており、また東京本社と海外各子会社を繋ぐ橋渡し役を担っています。
 
出張の目的は大きく2つありました。1つは、財務経理部で検討中の新しい連結会計システムの導入にあたり、より効率的な海外各子会社の決算情報の収集に向け、Saison Internationalと各子会社のビジネスと会計フローを理解すること。もう1つは、同社のファイナンスチームと直接コミュニケーションを取ることで、関係を強化し相互理解を深めることでした。

英語に不安がある私をトレーニーに選んでくれた会社に感謝しつつ、目的達成のため、またクレディセゾンがグローバル企業としてさらに発展していくための重要なトライアルであると認識し、今回の出張に臨みました。

マリーナベイ・サンズを前に記念撮影

ー出張の事前準備の重要性を実感されたと伺ったのですが、どんな準備をしましたか?

各子会社の経理業務やグローバル事業各国の最新のビジネスに関する資料を読み込むなど、まずは日本語でしっかりと知識をインプットしました。これは実体験として言えることですが、日本語で理解できない内容は当たり前ですが英語で理解できるはずがありません。特に私は英語スキルが高いわけではないですし、日本語で基礎知識をつけておくことはとても大事だと考え、事前インプットには時間をかけました。

英語に関しては、トレーニーが決まってからの数カ月でできる限り勉強し直しましたが、やはり私1人で2週間滞在するのは不安があったのでお守り代わりに翻訳ツールを携え今回の出張に挑みました(笑)

トレーニー期間中の研修内容・様子について教えてください。

はじめに、各子会社の月次試算表を教材として使いながら、現地の会計方針や会計上の論点についてレクチャーを受け、それぞれのビジネスと会計フローへの理解を深めました。
 
数日間に分けてシンガポールの全子会社4社についてレクチャーいただきましたが、その中でもハードルが高かったのは、トークン(※1)投資を行っているSaison Crypto Pte. Ltd.(以下:Saison Crypto)についてのレクチャーでした。事業自体が先進的で会計的にも新しい論点であり、日本語でも理解しきれない内容だったため英語でのレクチャーはかなり難易度が高いものでした。Saison Cryptoへの理解を深めるにはまず日本語で勉強する必要性を感じたため、今後も関連書籍などを読んで勉強しようと思っています。

※1トークン:ブロックチェーン技術を基盤とした分散型の仕組み「Web3」における暗号資産のこと

レクチャーで使ったホワイトボード

より実務に踏み込んで、現地メンバーが作成した試算表のレビューにもトライしました。経理経験は長いので馴染みのある業務ではあったものの、英語でチャレンジということで少し緊張しましたが、不明点は確認し、無事終えることができました!また、すべてのレクチャーは現地で使用している会計システムやファイルを使いながら行われるので、参考書やテキストを使って勉強していても出会うことのないリアルな英語や表現を知ることができました。
 
さらに今回グローバル事業自体を知る良い機会ということで、レンディング(貸付)事業のけん引役であるインド事業のビジネスモデルやリスクとリターンのバランスについてもレクチャーを受け、理解を深めました。

シンガポールオフィスの魅力

ーオフィスの様子と働くメンバーについて教えてください。

Saison Internationalはコワーキングという形でシェアオフィスを借りており、他のシンガポール子会社も同じオフィスに入居しています。若いメンバーも多く、お洒落なベンチャー企業のような自由な空気感でした。働き方については基本的に週2回の出社をルールとしつつも、それ以外はリモートワークが選択できる環境でメリハリをつけて働いています。

皆さん来日経験があるそうで、柴犬を飼っているメンバーがいたり、日本語を勉強しているメンバーもいたりと、日本に対してとても好意的で日系企業に勤めていることを誇りに思ってくれているようでした。

Saison Internationalのオフィスが入っているビル(Capital Tower)

また、笑顔が素敵でチャーミングな方が多いのも印象的でした。個人的に意外だったのは、リアクションや表情が、オーバーリアクションだったことです(笑)。ただ、それも彼らのチャーミングさに繋がっていると感じ、気持ちや想いを言葉や身振り手振りで豊かに表現することの大切さに気付かされました。

たくさんお世話になったファイナンスチームメンバーと記念写真

感謝の気持ちを伝える

ー 2週間滞在した中で特に印象に残っているエピソードは?

レクチャーの準備から慣れない土地での食事まで、ファイナンスチームにはありとあらゆる面で配慮してもらい、たくさんお世話になりました。長い出張を経て、何をすれば感謝の気持ちを伝えられるだろうと考え、最終日にオフィスにいる皆さんに集まってもらい、英語で挨拶させていただきました。皆さん優しく、私の拙い英語に耳を傾け、うなずきながら聞いてくれました。

また単なる挨拶では面白くないので、感謝の印としてサプライズでKiroroの「未来へ」を日本語で歌いました。この曲はシンガポールでも人気なようで、オフィスのホワイトボードに日本語の勉強も兼ねて歌詞が書かれていました。

これまで日本でも会社で歌を歌った経験もなければ、そのようなことをする性格でもなかったと思います。自分で発案しておきながらいざ歌うとなるととても緊張し手と声が震えましたが、「上手い下手は関係ない!気持ちの問題!」と自分に言い聞かせ、少しでも「クレディセゾンのメンバーは面白い!」と思ってもらえたり、感謝の気持ちが伝われば…と勇気をふり絞りました。言葉の壁がある中で、表現豊かな現地メンバーと触れ合ったことにより今までの自分では選ばなかった、振り返ると驚くような大胆な行動が取れました。
なお、このオフィスで歌を歌ったのは私が初めてだったそうで、期待通り爪痕を残しつつ感謝の意を伝えることができたと思っています(笑)

メンバーの前で感謝の挨拶をする杉村さん
Saison Internationalメンバーと集合写真

トレーニー経験を通じた自己成長

ー今回の経験を通じて、どんな学びがありましたか?

英語力と同等、あるいはそれ以上にこれまでの自己学習や経験で得た専門性や知識が重要だということを実感しました。言語は違えど、共通の専門領域を持つ相手とのコミュニケーションは意外に通じるものです。

私の場合、事前準備の甲斐もあり現地でレクチャーを受けた内容はほぼ理解できました。ネイティブ同士の早い会話や議論は正直その場でついていくのは難しかった部分もありましたが、議題が分かっている会議などは事前にスクリプトを準備することが可能ですし、十分対応できるという感覚が得られました。もちろん英語力はあるに越したことはないですが、ビジネスにおいては知識や経験との掛け合わせによってある程度補えると感じました。
 
英語が苦手、自信がないという人は多いと思いますが、専門分野であれば経験・知識共に自信があるという人は結構いると思います。会社のグローバル化が求められる中、英語に自信がないがゆえに積極的になれない人にも私のように経験と専門知識があれば自信を持ってコミュニケーションが図れることを伝えたいです。

また英語が拙くても現地メンバーは「理解しよう・聞こう」という姿勢で接してくれます。もちろん、お互いにストレスなくコミュニケーションが取れるレベルの英語力がある方がよいですが、まずは物怖じせずに何とか伝えようとすることがコミュニケーションの第一歩だと改めて感じました。

ー最後に、今後に向けて一言お願いします!

今回の出張を通じて、シンガポールの会計業務とビジネスについて理解を深めることができました。また、現地で直接メンバーと接し、現地の空気感を感じながらレクチャーやランチなどの時間も共に過ごすことで、実感を持って当社のグローバル事業について理解することができました。これは、受け身にならずに拙い英語ながらも勇気を出してコミュニケーションを重ねたことで得られた成果だと思っています。
 
また、2週間という時間をかけて密に交流を重ねたことにより、「この人と話せるようになりたい」、「この人にこれを伝えたい」という想いも具体化し、英語学習のモチベーションも向上しました。帰国後もコミュニケーションツールを活用して現地のメンバーと連絡を取り合っています。
 
トレーニーの経験から自分に足りない点や課題、今後必要なこと、勉強すべきことがクリアになり、それらを自分で考えるきっかけにもなりました。

今後、このトライアルをきっかけに沢山の社員がトレーニー制度などを通じてグローバルにチャレンジすることで、当社のグローバル企業化につながれば大変うれしいです。

「みんなでカニピース」交流会@レストラン・チリクラブ
ドリアンにトライした杉村さん

―杉村さん、ありがとうございました!