【前編】国境を越えて強くつながってゆく、あらゆるボーダーを超えた一つのチームに
クレディセゾンは、2014年にシンガポールに統括オフィスを設置し、東南アジア・インドへの進出を本格的に展開しました。各国での事業開発とあわせて、ファンドやFinTech事業者などへの投資事業も積極展開しています。2016年から、年に一度海外拠点のメンバーが一同に会し、プレゼンやディスカッションを行う会議「Saison Global Summit」を開催しています。コロナの影響による2度の延期を経て、今年3年ぶりにシンガポールでの実施となり、インド、ベトナム、インドネシア、タイ、そして日本から、各社のマネジメント陣やスタッフ、日本からの出向者など総勢70名が参加しました。日本側の事務局メンバーの一人として参加したグローバル事業部の牛尾さんに、「Saison Global Summit」開催の背景や当時のエピソード、牛尾さんが今感じている事などをインタビューしてきました。記事は前後編の2本構成でお届けします。
※記事の内容は取材当時のものです。
コロナ禍を経て、メンバーが一同に会し、グローバル事業の拡大を実感した瞬間
― Saison Global Summit とはどのような活動ですか?
クレディセゾンでは2016年から、年に一度海外拠点のメンバーが一同に会し、プレゼンやディスカッションを行う会議を行っています。コロナの影響による2度の延期を経て、今年3年ぶりに開催することができました。当初はクレディセゾン社員を巻き込んだ全社的なイベントにしたいとの思いから日本での開催を企画していましたが、新型コロナによる日本の水際対策もあり、最終的には予定を変更してグローバル事業の国際統括拠点であるシンガポールでの開催となりました。
今回、インド、ベトナム、インドネシア、タイ、そして日本から、各社のマネジメント陣やスタッフ、日本からの出向者など総勢70名が参加しました。参加した国も会社も過去最多となり、グローバル事業部にとって過去一番といえる大きなイベントとなりました。
当日は、古くから所属するメンバーにとっては3年ぶりの再会、またこれまでメールやZOOMを介してのやり取りのみだったメンバーに至っては初めての対面となり、会場に集まった瞬間各国のメンバーそれぞれが「やっと会えたね!」と固く握手しハグを交わす光景がとても印象的でした。3年という時間の経過と、グローバル事業の拡大を実感した瞬間でした。
「ファイナンシャルインクルージョンを達成することで、人々の生活をより豊かにすること」
さらなる飛躍に向けて、そのマインドを再確認する
― Saison Global Summitを開催する背景や目的を教えてください。
実はこれまでSaison Global Summitなどというかっこいい(?)名前はついておらず、事業部の内々の会議の一つという位置づけでした。内容も、各拠点の事業の概要などを互いに共有し、各国とグローバル事業部メンバー間のコミュニケーションを深めることを主な目的としていました。しかしこの数年、コロナ禍においても着実に事業として拡大を続けてきた結果、クレディセゾンとしてもグローバル事業を大きなビジネスの柱と位置付けたこともあり、会議の意義や目的が一段引き上げられたと感じています。
そもそも当社のグローバル事業が本格始動したのはシンガポールに地域統括会社が設立された2014年頃、まだ10年と経っていません。当時すでに東南アジアに参入していた競合も多くいる中で、当社は同年ベトナムに合弁会社を設立したことでようやく一歩踏み出したようないわば新参者でした(それは今ももちろん変わりませんが)。そこから一つ一つ、駐在員を中心に「私たちはクレディセゾンという日本のカード会社で…」と地道に現地企業へのドアノックを繰り返しながら、その地で求められているものは何か、ビジネスチャンスを見つけていきながら進み続けた先に、今のグローバル事業の形があります。各国の事業が、現地Fintech事業者や中小企業への融資、消費者向けのバイクローンやキャッシュローン、クレジットカード事業と多岐にわたる理由は、地道な活動の中で現地のニーズを模索しつづけた結果です。そしてその過程で、今のグローバル事業部が掲げるミッションも自然と生まれました。
現在、地理的、経済的な理由などから適切な金融サービスを受けられない人々(=アンダーサーブド層)が世界に17億人、東南アジア・インドだけでも6億人いるといわれています。私たちは、彼らに対しフィンテックなどのデジタル化を通じて現地のニーズに即した金融サービスを提供し、ファイナンシャル・インクルージョンを達成することで、彼らの生活をより豊かにすること、夢を実現することを使命としています。
今、各国ビジネスが1つ上のステージに上がろうとするこのタイミングで、改めてこのマインドを共有し、さらなる飛躍のために共通のテーマを再確認することが、今回のSummitの大きな目的の一つでした。
セゾンのレガシーやナレッジの共有、人と人とのつながりで生まれる連帯感の強化
―過去最大規模のsummitとなった今回ですが、どのような事を行ったのでしょうか?
クレディセゾンからは、社長やグローバル管掌役員から当社の歴史から困難とそれをどう乗り越えてきたかというセゾンマインドの共有や中期経営計画の説明を、また、当社の第二の柱である「デジタル」を担うテクノロジーセンターの管掌役員から日本本社でのDXの取り組みに関してプレゼンを行いました。当社の海外拠点の多くはマネジメント陣がナショナル人材を現地採用しているため、クレディセゾンについて、また今回の当社におけるグローバル事業の位置づけについて知らないメンバーも多い中、彼らに、いわばセゾンのレガシー、マインドの部分を伝えることで、「セゾングループ」としての連帯感を一層強められたと感じています。
一方で、各国メンバーからは昨今のトレンドとなる特定の分野についての講義も行われました。当社グローバル事業の一つのテーマでもあるインパクト投資や、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の新たな投資領域であるWeb3など、世界のビジネストレンドを日本人メンバーが吸収する貴重な機会ともなりました。さすがはその道のプロばかり、内容が高度すぎて(しかも当然全編英語)、正直私は一日ただ彼らの説明をインプットするだけで頭がオーバーヒートしていました。まだまだ修行が足りません(笑)。
そのほか、これも今回初の試みでしたが、会計や監査、リスク管理など、国をまたいで機能ごとの実務担当者同士のセッションも行われました。当社のグローバル事業は各国の事業会社、それを束ねるシンガポールの統括会社、そして日本の窓口であるグローバル事業部、さらにそのバックに本社の管理部門、、、といったように、国をまたいであらゆるセクションが横断的に業務連携を行っています。通常その端と端に位置する各国メンバーと本社の管理部門のメンバーが接点を持つことはありませんが、今回初めて膝を突き合わせ、人と人としてのつながりを持てたことは、今後の円滑なコミュニケーションに非常に有意義だったと感じています。
ー 次回、後編に続きます。ー