見出し画像

【社内イベントレポート】インパクト投資チームが来日!プロフェッショナルによる社員向けセッションを開催

こんにちは!クレディセゾン グローバル戦略企画部の吉田です。クレディセゾンのグローバル事業では、ファイナンシャル・インクルージョン(※1)の実現をテーマに2020年末より、「インパクト投資(※2)」取り組みを進めています。

2023年1月、インパクト投資チームのヘッドの1人であるMarie Anna(マリアナ)さんが来日し、東池袋のクレディセゾン本社にて、社員へ向けた「インパクト投資セッション」を開催しました。

社会課題への関心の高まりとともに、世界的にも注目があつまる「インパクト投資」について、この分野のプロフェッショナルの説明が聞ける大変貴重な機会となりました。

今回はその一部始終をリポート形式でご紹介し、当社グローバル事業部におけるインパクト投資の取り組みについてお伝えをしていきたいと思います。ぜひ最後までご覧下さい!

※1 ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)…誰もが金融サービスへアクセスでき、金融サービスの恩恵を受けられるようにすること。金融包摂はSDGs達成のための重要な課題と認識されている。
※2 インパクト投資…一般的な投資で求められる財務的リターンだけでなく、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動のこと。
※ 記事の内容はレポート当時のものです。

吉田 隆之(よしだ たかゆき)
クレディセゾン グローバル戦略企画部

マリアナさんは、現場を知るために18歳でマダガスカルに渡ったという経歴を持つ、ESGやインパクト投資の分野の専門家

さて、私は2か月ほど前にグローバル戦略企画部に異動してきた、いわば新参者です。この部署は、各国で事業を展開する組織やメンバーと国内の関連部署をつなぐハブとしての役割を担っており、そうした業務の中でインパクト投資に関わることになりました。つまり、私にとってインパクト投資はまだまだ未知の領域です。

そんな中、当社のインパクト投資を率いる存在であるマリアナさんが来日され、初の試みとして社内でインパクト投資への理解を深めるためのセッションが行われました。

今回のセッションの主役であるマリアナさんは、「金融を通じて人々を豊かにする」という信念のもと、現場を知るために、なんと18歳でマダガスカルに渡ったという経歴を持ち、ESGやインパクト投資の分野で12年の経験を持つ専門家です。

2021年12月より当社のグローバル事業にジョインし、現在生活拠点をフランス・パリに置きながら、インパクト投資事業の主要メンバーの一人としてチームを率いています。

※クレディセゾンのグローバル事業について、以下で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。

この分野のプロフェッショナルの説明が聞ける貴重な機会とあって、インパクト投資初心者の私はもちろん、財務や経理、経営企画など当社のコーポレート部門からも多くの社員が参加しました。

参加者へ向けて自己紹介中のマリアナさん

そもそも、インパクト投資ってなんだろう 

セッションではまず、インパクト投資とは何か説明がされました。

インパクト投資とは、一般的な投資が財務的なリターン(利益)のみを追求するのに対し、財務的リターンだけでなく、環境・社会的なインパクトを創出することを目指す投資行動です。

環境・社会的インパクトの具体的な内容はケースにより異なりますが、当社の場合は、ファイナンシャル・インクルージョンを実現することで、金融事業を通じて社会にポジティブなインパクトを与えることを目指しています。

昨今、環境問題や、経済格差といった社会課題への関心が高まるにつれて、「インパクト投資」は新たな投資手法として世界的に存在感を高めています。21年の世界のインパクト投資残高は推計値で約150兆円、国内金融機関による投資残高も3兆円(22年9月時点)を超え、まだまだ成長の余地があるといわれています。

また、混同されやすい概念として、既存のESG投資との違いも説明がされました。

マリアナさんによれば、ESGが”害を与えない”ことを目指すのに対し、インパクトは”人類と地球のためになる行動をとる”

のだと言います。このインパクトの創出ですが、単にインパクトを与えるだけでなく、創出したインパクトが測定可能であることも求められています。個々の投資案件を精査するにあたり、非常に多くの要素を検討する必要があるということに改めて気づかされました。

インパクト投資を真に実効性のあるアクションとするために

概念的な理解が進んだところで、マリアナさんからは具体的な実務についても説明がなされました。

インパクト投資においては、投資の始まりから終わりまでの一連の流れの中で検討すべき特有のポイントがあるといいます。

最初に検討しなければならないことは、投資全体の戦略です。この投資戦略策定にあたっては、対象とする課題についての理想的なゴールを持ち、そこに至るまでの道筋を検討することが極めて重要です。

当社の場合にはファイナンシャル・インクルージョンの実現をテーマに、その道筋におけるより具体的なゴールとして、”MSMEs(※3)の潜在的な成長力と経済機会を引き出す”、” 歴史的に十分な金融サービスを受けていない個人および世帯の生活向上”の2つを設定しています。

実際の投資行動においては、このような戦略との整合性を確保しながら、財務面はもちろんインパクトの面でも十分に検討を行うことになります。

※3 MSMEs…中小・零細企業のこと

続いて、実際の投資判断を行うにあたって、インパクトの検証がどのように行われるか説明されました。

インパクト投資においては、どのようなインパクトを、どれだけの人に届けられるか十分に検討することが求められます。このため、通常の財務情報や投資先企業の事業規模だけでなく、顧客の性別や居住するエリアなどの顧客属性においても非常に細かな情報が収集されています。

さらに、投資先企業のガバナンス、労働環境、顧客保護の体制などについてもチェックし、現地での調査までおこなわれていることが説明され、想像を超える緻密な分析に驚かされました。

このように収集したデータは毎年更新され、私たちのインパクト投資による介入が、その後どのような影響を与えたかまで確認するために活用されているとのことです。

インパクト投資を真に実効性のあるアクションとするためには、気の遠くなるような膨大なプロセスが求められていることが分かります。

ちなみに私は、こうしたプロセスを経た投資案件について、東京側の関係者に報告する業務を担当しています。毎回、現地から送られてくる膨大なレポートの背景に、これだけの重い作業の積み重ねがあることに、ただただ驚き、自らの未知を思い知らされる時間となりました。

一方で、どこかぼんやりとした存在であったインパクト投資について、具体的なプロセスに対する理解を伴って腹落ちしたことは大きな収穫にもなりました。私自身の業務においても、当社の投資判断が社会に与える影響を、より具体性を持って説明できるようになったと感じています。

そして、今後こうした当社のインパクト投資に関する取り組みを、note(セゾンの未来会議)や様々なレポートを通じて積極的に社外へ発信していけたらと思っています。

国内外のコラボレーションで展開を加速するグローバル事業へご期待ください!

今回のセッションでは、冒頭に投資案件のケーススタディが出題され、参加者各自が投資判断について意見を求められるなど、終始インタラクティブな雰囲気で進行されました。

とりわけ実務面での説明では、関連部署の社員から各自の知見や経験に基づいた質疑が見られ、インパクト投資に対する社内の関心の高さを実感することが出来る時間になりました。

それだけでなく、普段は交流の機会が少ない国外のチームとのコミュニケーションは、非常に刺激的な経験になったはずで、お互いにセゾングループとしての一体感も深めることにつながったと思います。

先述の通り、私がグローバル事業に携わるようになったのはつい2か月ほど前のことです。それまでは、法人のお客様にビジネスカードや法人様向けの商品を提案していました。

営業部門に所属していた頃は、国外にグループ会社があり、社員がいて事業を展開しているなどと聞いても遠いことのようで、どこか半信半疑でさえありました。着任してからも、グローバル事業部での仕事は未知のことの連続であり、同じ社内の出来事とは感じられないほどです(今回のセッションもその1つ)。

事業を推進するメンバーのダイバーシティに驚きつつ、現地で活躍するスペシャリストを前に、学ぶことは尽きないと痛感する日々でもあります。そんな私ですが、本稿を通して当社グローバル事業の目指す理念と国外での奮闘について多くの方に届けることが出来ていれば幸いです。

これからも、展開を加速する当社のグローバル事業へご期待ください!

― 吉田さん、ありがとうございました!

クレディセゾンのグローバルビジネスについて、以下よりご欄いただけます。

この記事が参加している募集