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【前編】生活者のカーボンニュートラル実践にむけて、クレジットカード会社としてできること

クレディセゾンでは、2022年6月、国内では初めてとなる、決済データを活用する気候変動対策をテーマとしたコンセプトクレジットカード「SAISON CARD Digital for becoz」(以下:becoz card/ビコーズカード)の発行を開始しました。

今回、クレディセゾンだからできるサステナビリティという視点で誕生した、「becoz card」の開発背景について、デジタルマーケティング部の牧野さん、戦略企画部の大曲さんにインタビューしました。記事は前後編の2本構成で、前編は「becoz card誕生の背景」、後編は「サービスリリースまでの奮闘と未来への思い」についてお届けします。

※記事の内容は取材当時のものです。 

大曲 愛子(おおまがり あいこ) ※写真右
株式会社クレディセゾン 戦略企画部

牧野 和子(まきの かずこ) ※写真左
株式会社クレディセゾン デジタルマーケティング部

国内で初めて、カード決済データから個人のCO2排出量がわかるクレジットカード誕生

ー「becoz card」の商品概要について教えてください。

牧野:「becoz card」は、データサイエンスを扱う株式会社DATAFLUCT が提供する個人の CO2 排出量の可視化 ・オフセットが可能なサービス「becoz wallet(ビコーズウォレット) 」に、クレジットカード決済データを自動連携させることで、日々の生活でのCO2 排出量を可視化することができるというサービスです。

「becoz wallet」に、毎月カードのご利用明細が自動連携されるので、どのお買物、カテゴリーでCO2の排出量が多いのか、前月と比較して増減があるかなど、ご自身の消費活動の傾向を把握することができます。

さらに、減らす努力をしてもどうしても排出してしまうCO2について、CO2削減活動に投資することで埋め合わせるカーボン・オフセットプランを選ぶこともできます。環境問題に少しでも取り組みたいというお客様の具体的なアクションプランまでサポートしています。 

大曲:また、「becoz card」はスマートフォンアプリ上にデジタルカードを発行し、プラスチックカードを発行しません。プラスチックを使用せず、ご利用明細の各種手続きもアプリ上でできる、環境に配慮したサービスです。

オリジナルデザインのデジタルカード券面イメージ

ーこのサービスが生まれたきっかけを教えてください。

牧野: 昨今、異常気象による世界各地の被害が報じられる中、日本でも企業を中心とした経済活動でカーボンニュートラルを目指す動きが広がって、若年層を中心に個人の環境意識も着実に高まってきています。

そのような中、クレディセゾンでは2021年8月にサステナビリティ推進委員会の発足を受け、気候変動に対して当社が企業としてできることはないかとワーキンググループで検討を始めていました。

大曲:生活者の脱炭素意識調査から、脱炭素の取り組みは大企業や政府だけでなく、生活者も取り組むべきことと思っている人が約7割もいる一方、約半数以上が何をすればよいかわからない、という結果が出ています※2。

そのような折、DATAFLUCTがスウェーデンのインパクトテック企業Doconomyとサービス連携し、決済データからCO2排出量を可視化するDoconomyのアルゴリズムを活用したソリューションを提供する、というニュースを目にした当社社長の水野が、「決済データを通じたCO2排出量の可視化は、生活者のアクションのきっかけになるのでは?」とすぐにDATAFLUCTの久米村代表にアポイントを取りました。

牧野:その後プロジェクトチームが組成され、私は決済データ活用の担当者としてジョインしました。DATAFLUCT が保有する AI 等に関する先進的な技術やノウハウ、Doconomyの CO2 排出量可視化に関する技術、そして当社のペイメント事業におけるノウハウを掛け合わせることで、先進国に遅れを取っている日本のカーボンニュートラル推進に、どう貢献できるか、どのようなサービスがよいか議論を重ねました。
その結果、カード決済データを通じて、生活者にカーボンニュートラルに向けた行動変容の選択肢を提示する、という方向になりました。

ー 次回、後編「サービスリリースまでの奮闘と未来への思い」に続きます。ー